良い悪いは別にして・・・・
  むかし むかし そのむかし
毎年 春四月になると
花祭りがあるというので
ぼくたちは楽しみに
その日の来るのを待っていた。

花祭りの日は
大人たちは本堂に上がって般若湯とやらいう
あれはたぶんお酒だったのだろう
めいめい持ち寄った湯飲み茶碗で飲んでいた。

ぼくたちはと言うと
小さなお釈迦さんの像に
甘茶の葉っぱを煮出したお茶を
頭からぶっかけた。

それが灌仏会というものだと知ったのは
ずいんぶん後のことだった。
甘茶が甘かったどうかは覚えていないが
ひとつだけ印象深く記憶していることがある。

ぼくたちがお寺の境内で遊んでいると
大黒さんがお供え物のおさがりをくれた。
そのとき顎くらいの高さの縁側に立て膝をした
大黒さんの着物のあいだに見える股の奥は真っ黒だった。

ぼくのウイタ・セクスアリスは
このこときから芽ぶいていまに至っている。
はなまつり
花祭りになると、おしょうさんが本堂の奥からお釈迦様の像を持ち出して飾った。の像にぼくたいは競うようにして甘茶を柄杓でかけた。そのことに、どんな意味があるかなど考えもしなかった。お供えの菓子がもらえることだけを心待ちにしていたような気がする。
7月ころに枝先にガクアジサイのような散形花序をつけます。アジサイの葉には毒があるといわれますが、甘茶の葉は乾燥をさせると、とても甘くなって、砂糖のない時代にはとても重宝しました。

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