オヤブジラミ

撮影:2013年4月

名もない花が、人知れず咲いてその季節を終わる。矢切周辺にはこうした草花が無数にあります。ここで取り上げるのは、そんななかでもごく一部かもしれません。この花はオヤブジラミです。

撮影:2013年5月3日

【オヤブジラミ】セリ目セリ科ヤブジラミ属オヤブジラミの越年草。

葉のなかに埋もれるように小さな花を咲かせる
  ふだんなにげなく通り過ぎてしまう道ばたの半日陰に葉をいっぱいに繁らせた草があります。近づいてよく見ると、白い小さな花が咲いていました。セリのよく似た葉っぱです。いろいろと図鑑で調べてみたところ、どうやらヤブジラミの仲間ではないかと思われます。夏期が5月の上旬ですから、その仲間のなかでも花を早くに咲かせるオヤブジラミではないかと結論づけました。
 

ライバルの少ない半日陰にいっせにに繁茂する草
  草丈は30〜80cmほどで、ほぼ一群になって繁っています。それも半日陰。もっと条件のよさそうな場所はいくらでもあるというのにどうしてこんな悪条件の場所を選んで繁茂するのでしょうか。
 ひとつには、競争力の問題ではないでしょうか。好条件の場所ではほかの草花に負けてしまい、繁茂できないからではないでしょうか。
  ご存じのように植物は、ここはダメだからほかの場所へ移動しようと思っても移ることはできません。偶然に種が飛ぶか、小鳥などに食べられて種が運ばれるかしないと移動できません。それも、まったくの偶然に種が落ちた場所で生きるしかないのです。それがたまたま半日陰だった。そこには競争相手がいなかった。だから繁茂したのでしょう。6月も半ばを過ぎるころには茶色になって枯れてしまいます。


種が動物や人の衣服などにくっ着いて子孫を広げる
  名前の由来ですが、漢字で書くと「雄藪虱」です。ちいさな羽毛をもった種が、動物や人の衣服などに着いて運ばれるようになっていますが、その様子が人の頭などにわく虱に似ているというので、藪にある虱の名が着いた着いたようです。
  雄が先頭に着いたのは6月の終わりごろから7月にかけて花をつけるヤブジラミと区別するためです。両者はよく似ていますが花期が違います。花がはやく咲くのがオヤブジラミ、それから遅れて咲くのがヤブジラミです。

葉は柔らかそうに広がる。

日蔭にひっそりと咲いて一生を終わる

トップへ戻る

なにもこん所に生えなくてもいいのに………。

わずか2〜3mmの小さなを咲かせる。

撮影:2013年3月19日