ス イ バ
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撮影:2013年4月29日
ほんの50年ほど前の子どもたちにとっては春一番のおやつだった。だれに叱られることもなく採って食べることができた。でもその名のとおり酸っぱいのだ。シュウ酸をたくさんふくんでいたからでした。
【スイバ】タデ目タデ科スバ属スイバの多年草。
春一番の子どもたちのおやつ
春になると子どもたちは、競争するようにしてこのスイバが芽をだすのを心待ちにしたものです。おやつなどが自由に手にはいらなかった田舎では、かっこうのおやつだったからです。酸っぱさを緩和させるために塩をつけて食べましたた。そんな想い出がよみがえってくるたべものです。
雪解けからしばらくしてまわりが緑色になり始めると・・・・
ギシギシを「ヘビシンザイ」と呼んでいたのにたいしてスイバのことを「シンザイ」と呼んで区別していました。じっさい生える場所もギシギシが草深い、蛇の出そうな場所だったの対して、シンザイは道ばたであったり、田んぼの畦道であったり、ひかくてい子どもたちでも立ち入れるところでした。
ロゼット状(地べたに葉が張りついた状態)だった葉がまず立ち上がってきます。それから董(とう)が立ち上がってきます。この状態になったら子どもたちの出番でした。地元の言葉で「シィンザャートー」採りの季節が始まります。
植物にも男と女があるの?
スイバは葉っぱに酸味があることからついた名です。小学校唱歌にうたわれる「スカンポ」もスイバのことです。日本では子どもたちが、おやつがわりに食べていましたが、ヨーロッパあたりでは野菜がわりに使っていたようです。じっさいスープに用いるために栽培もされたようです。
ところで、このスイバには雄の株と、雌の株とがあることをご存じでしたか。植物からY染色体、X染色体が発見されたのもスイバからだったそうです。
もうこうなってくると誰も食べるものはいなくなる。ただの雑草。
♪土手のスカンポ ジャワサラサ〜
撮影:2013年4月29日
ちかづいて見ると小さな花が集まっていた。
ちいさき蛇の
執念の赤めを
綴りたる
すかんぽの花に風が吹くなり
宮沢賢治 歌稿B149
芽が出てしばらくは食べられる。この時期が最高。
撮影:2013年3月19日