【ハコベ】ナデシコ目ナデシコ科ハコベ属ハコベ。越年草。
  かわいい花です。花弁が十枚あるように見えますが、一枚の花びらが深く切れ込んでいるのでそう見えるだけです.。ほんとうは五弁花です。
  小さな産毛におおわれているのは、空気中の水分を取り込むためではないでしょうか? 一本の根からかなりの数に枝分かれし、それぞれに花をつけるので根から吸い上げる水だけでは足りないのかもしれません。いつもみずみずしくいられるのは産毛のせいではないでしょうか。
  私の田舎では「ひずる」と呼んでいたような気がします。ハコベがはびこってくると春も本格的になりました。梅の花がほころび、やがて桜が咲きます。
  むかしの家庭では猫と鶏はたいていの家で飼っていました。犬のいる家は分限者でした。よほどまれでした。ヒヨコは子どもたちの友だちでした。よく一緒に遊んだものです。
  このハコベはヒヨコたちの大好物でした。ハコベを採ってきてはヒヨコに食べさせたものです。ピヨピヨと啼きながらハコベを食べるようすを子どもたちは、しゃがんで眺めたものです。
  もしもコンラット・ローレンツをそのころに知っていたら、きっとヒヨコの親になろうとしたでしょう。 ローレンツとは動物行動学者です。いわゆる“刷り込み”と呼ばれる現象を研究した人で知られています。鳥の雛は卵から孵ったとき、最初に動く物を見たら、それが親だと思うという説です。
  そんなことがもし出来たら、ヒヨコを引き連れて野山を駆けまわって遊んだことでしょう。いまからでも遅くないから、そんな遊び方をしてみたいものです。

【ハコベと人と】
  カナリヤの 餌に束ねたる はこべかな      正岡子規

  小諸なる古城のほとり                雲白く遊子(ゆうし)悲しむ                        
    緑なすはこべ(繁縷)は萌えず           若草も藉(し)くによしなし
  しろがねの衾(ふすま)の岡辺(おかべ)  日に溶けて淡雪流る
      島崎藤村

 別名、ひよこぐさ  すずめぐさ  はこべら  はるな  みどりはこべ などの呼び名があります。正岡子規のような使い方だと、“ことりぐさ”でもいいのかもしれません。

【ハコベの食べ方】
  春の七草のひとつですから食べることができます。お浸し、胡麻和え、白和えなどが現代人の口にあうでしょう。ポイントはホウレンソウなどより少し長めに茹でて、よく水にさらすことです。そうしないと青臭さが残ります。野生的な味をあじわうことができます。
  ハコベにはタンパク質やミネラルなどの栄養素が豊富で、古くから薬草としても使われています。茎に葉がたくさんついていることから、「繁栄」を意味しています

ハ コ ベ

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、これが春の七草。ハコベラがこの写真の植物のことです。食用になるのに、いまは食べる人とていません。雑草と呼ぶ人もいます。。

近づいてよく見ると、とても可憐で清楚な花です。

なかに写真のように一本立ちをしたものもあります。こんなものは菜花とおなじ要領でたべるといい。

雑草という名の植物はありません。

撮影:2013年3月10日

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道ばたや畑などにはえています。ごっそりと抜いて捨てられます。