みごとに白花が咲いた。

  矢切に1か所だけ白いヒガンバナの咲く場所がある。もちろん赤花も咲く。あるとき、この花たちが絶滅しそうになった。夜な夜なやって来ては掘り盗って行く人が後を絶たなかったからだ。この場所はじつは国土交通省の占有地なので、小さな溝の右側のうちの人は、こうれまで自分のところで花の管理をしがら土地を守ってきたが、上司が代わったのか、クレームがついて手入れもできなくなった時期があった。ちょうど絶滅しかけてころだった。ところが、また上司が代わったのか、いまは見てみないふりをしてくれるので白花、赤花ともヒガンバナが戻ってきた。

茎だけを伸ばし、群れて咲く

包を割って6つの花弁が出てくる

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ちょっと見た感じは赤花のようだ。

2枚の写真は雄しべの先端の色が違う。

美しい花には棘があるというが、美しい花には毒のあるものもある。このヒガンバナがそうだ。花にも茎にも地下の球根にも毒があるのに、人々はこの花の球根を食って飢えをしのいだ時期があった。

通常は6弁だがこの花は7弁

ヒガンバナ

早いものから順番に花開く。

【ヒガンバナ】ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。球根植物。またの名をマンジュシャゲ(曼珠沙華)ともいう。
  ヒガンバナは彼岸花と書くように、忠実にお彼岸のころに咲く。しかし、2012年は一週間以上も遅れて咲いた。以上気候のせいだ。
  全草有毒の植物で球根でふえる。散形花序で6枚の花弁が放射状に咲く。道ばたなどに群生して赤い花を咲かせる。まれに白い花もある。
  高さ30〜40cmの茎だけを伸ばし、その先端に包につつまれた花芽をふくらませ、開花時期になると包を割ってさらに6つ包をつつまれた花を伸ばし、秋の彼岸のころに咲く。

  ヒガンバナにはいろいろな名があり、彼岸花、曼珠沙華のほかに、地方によって死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな)、狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、はっかけばな、などと呼ばれている。

  彼岸花は有毒である。そのおかげで田んぼの畔などに植えて、ミミズはオケラなどの虫を寄せつけないようにし、モグラが穴を掘って水漏れさすのを防ぐ。
  また、かつて土葬だった時代には死体を食いにくる虫たちを寄せつけないために墓場に植えられた。

 こうした有毒な植物だが、凶作などで食べ物がないときには、球根を水にさらして毒抜きをして飢えをしのいだといわれる。ちなみに、有毒成分のひとつであるガラタミンはアルツハイマー病の治療薬として使われている。



  花が終わったら、やおら葉っぱが出てきて、光合成を行って球根を太らせ、来年ように花を咲かせるためのエネルギーを蓄える。冬のあいだじゅう緑の葉はロゼット状になって過ごす。せっせと密を集めるミツバチの働き蜂を連想させる。


  概してヒガンバナ、あるいはツルボなどもそうだが、秋に咲く花は最初に花茎だけを伸ばして艶やかな花を咲かせ、あとから葉っぱを伸ばして球根に栄養分を蓄える植物が多い。他の草花が枯れたころに太陽の光を独り占めにしようという植物ならではの知恵なのだろう。