イヌタデ(赤まんま)

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田んぼの畦道などを真っ赤に彩るイヌタデの花のことをいつごろから“赤まんまん”と呼び始めたのか知りませんが、きっと小さかったころ、半世紀も前のような気がします。

蓼の葉や 泥鰌隠るゝ 薄濁り         正岡子規

 ( タデはドジョウがいるような溝や小川のふちに咲いてい
   るもの。ドジョウがあわててタデの葉陰に隠れたのか水
   が濁っている

   

撮影:2012年10月22日

【イヌタデ】タデ目タデ科タデ属イヌタデの一年草。道ばたにふつうに見られる雑草。
  「おとうさん、早く起きなさい。御飯ですよ」 「はい、あなたは早くたべて学校に遅れるわよ」
  誰に教わったわけでもないのに、いつのまにか子どもたちは家庭の風景を再現したものでした。一時代前の子どもたちの遊びに“ままごと遊び”がありました。赤く色づいたイヌタデの花をお赤飯に見立てて遊んだものです。
  イヌタデは、横に這った一本の茎からたくさんの小枝を出してその先に小さな花をたくさんつけます。赤い花はそのまま赤い実になって霜の降りるころまで枝に群がってついています。これを赤飯に見立てることから“赤まんま”の名前でよばれるようになりました。
  諺に『蓼食う虫も好きずき』といのがありますが、ここでいうのはヤナギタデで、辛みがあります。鮎の塩焼きなどを食べるときのつきもの“蓼酢”に使うのはこちらのタデです。犬胡麻(いぬごま)、犬芥子(いぬがらし)、 犬薺(いぬなずな)、犬稗(いぬひえ)、 犬蕨(いぬわらび)など、食べることができない植物にはたいてい“犬”の名が使われています。
  余談ですが猫の場合には、猫舌、猫背、猫っ毛のように植物にはあまり使われないようです。猫ばば、猫っかわいがり、招き猫のような使われたかもしています。