花は知っていた。日本が戦争に負けたのを。それまで手厚く世話をされていたのに、戦争に負けたとたんに放り出され、しかたなく自力で生きていく道を選択した健気な花たち………。

ナ キ ク イ モ

【キクイモ】キクイモ科ヒマワリ属の多年草。別名アメリカイモともいう。北アメリカ原産。
  野菜なのか花なのか、いまでは区別がつかなくなってしまっているが、れっきとした野菜なのである。このきれいな花が、じつは第二次世界大戦と関係があったことはあまり知られていない。江戸時代末に飼料用作物として日本にはってきたが、戦争により飢えた日本人はこれを食用にしようと増産させた。
  戦争に負けて食料増産の必要がなくなってくると、いっせいに作らなくなった。それはサツマイモやジャガイモと違って葉や茎に小さな棘があるせいだ。それに、野菜にしては草丈が高いの好まれなかったのだろう。最近の野菜はみんな棘なしになりつつあるし………。
  人が手をかけなくなると、キクイモたちは畑から逃げだして野生化していった。言ってみればキクイモは戦争の落とし子なのである。それにしてもヒマワリの仲間だけに、きれいな花だ。

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ヒマワリの仲間だけに、いっせいに同じ方向を向いて咲いていた。花びらの数が8〜12枚とそれぞれ違うのは、なにか意味があるのだろうか。それとも、ただの個性なのだろうか。

岐阜県恵那市岩村町では菊芋の味噌漬けや粕漬けを特産品にしているそうだ。長野県や熊本県でも特産品として売り出しているという。矢切では坂川の土手に大量に咲いている。戦時中、国府台に軍隊があったせいで、栽培されていたようだ。。