ハゼノキ

学名:Rhus succedanea
別名:ハゼノキ(櫨の木),リュウキュウハゼ(琉球櫨),
    ロウノキ(蝋の木)
花期:晩春〜初夏


 ウルシなどとおなじ仲間。雌雄異株で高さは10mていどまでになります。5月から6月にかけて白い小さな花を咲かせます。秋になると1cm前後の“おはじき”のような実をつけます。この実を搾って採るのが木蝋です。
 冬になると実に含まれる脂肪分をカラスやヒヨドリなどの鳥たちが好んで食べます。栄養豊富なことから地方によって実のことを“キツネの小判”、“ネズミの小判”などとも呼ぶそうです。
 東南アジアや東アジアなどの温暖な地域に自生する植物で、日本には江戸時代に琉球(いまの沖縄)から鹿児島を経て持ち込まれたといわれています。
 果実から蝋燭(ろうそく)にする蝋が採れることから、盛んに各藩で栽培され、その採種方法は藩外への持ち出しが禁じられていたほどです。
 櫨の実から搾り採った油脂分は、和蝋燭や坐薬、軟膏の基剤として、あるいはポマードや石鹸やクレヨンなどの原料として利用されていました。
「いました」と過去形でいうのは、近年は大量でしかも安価にできるので、石油の原油を分留して得られる蝋質の炭化水素であるパラフィン系のワックスが主に用いられています。狭義の蝋であるワックス・エステルは、化学的にも合成されています。
 話は変わりますが、俳句の世界には「櫨紅葉」とう言葉があります。秋、真っ赤に色づく紅葉は俳句の季語にもなっています。

一本のハゼの木

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ある日、
ちじょうから 三メートルほどのところできられた、
ひの木のきりかぶの うえに、
ことりに はこばれたのでしょうか、
ハゼの木のたねが ひとつ めをだしました。

ハゼの木は なやみました。
どうして えいようをとったらいいのだろう。
つちは きりかぶの はるかした。
とても てが、
いえいえ
ねが とどきません。

ハゼの木は かんがえました。
エネルギーは かがやく おひさまが、
あたえてくれる。
あとは みずさえあれば いきられる。
そこで ハゼの木は ひの木のきりかぶに はなしかけました。

ひの木さん ひの木さん
あなたの ちからを おかしください。
ながい あなたの そのからだから、
みずを くみあげさせて いただけませんか。

すると ひの木のきりかぶは いいました。
わたしの いのちは きられたときに
これで おわりだと あきらめていました。
でも、あなたが いきようとする すがたをみて、
わたしも もうすこし がんばってみようと おもいました。

こうして ハゼの木と
ひの木のきりかぶは いっしょに いきることにしました。

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