ジョウビタキ

ある日のことでした。一羽のジョウビタキがマンホールのふたの上に飛んできました。くるくると周囲を見まわし、やおらマンホールのふたをつつき始めました。ふたには小さな穴が開いていました。そこには・・・・・・。

 ここは公園のいっかくです。マンホールは遊歩道のそばにあります。夜明けから夕方まで散歩の人たちがたくさん通ります。
 そのときジョウビタキはそばのツツジの植え込みのなかに身を隠します。すると、よほど目のいい人でないと気がつかずに通り過ぎてしまいます。人が通り過ぎるとあたりを警戒して、安全だとわかると、ふたたびマンホールのふたの上にやって来ます。こうして一日中、ジョウビタキはマンホールの近くですごしています。

 あるときジョウビタキがいないあいだにメジロがやって来ました。メジロも同じようにマンホールの穴にくちばしを突っ込んで、しきりに虫を食べていました。いまの季節だと、メジロはやはり椿の花だとか梅の花の蜜を吸っていて欲しいものです。
  鳥たちが飛び立ったすきにマンホールに近づいて、くちばしを突っ込んでいた辺りを見るとガス抜きの穴があいていました。そこから虫が次々と飛び立っていました。どうやらジョウビタキもモズもこの虫をしきりに食べていたようです。
 なんという虫か、家に帰ってから調べてみましたがよくわかりません。マンホールから出てくる虫にはチョウバエという虫がいるそうですが、それとは形がすこし違うようです。ユスリカの仲間ではないかという人もいますが、それとも違うようです。

 松の木の根本にあるマンホールのふたの上に飛び降りました。そして辺りを見まわし、周囲の安全を確かめ、トントンと移動してマンホールの穴にくちばしを突っ込みました。なんども、なんども突っ込んでいました。なにやら食べているようです。
 これは珍しい。警戒心に強いはずのモズのメスです。もう夢中です。よほど美味しいものでもあるのでしょうか? たぶんそうなのでしょう。すぐそばで人間に見られているのも気がつかないようです。
 ある日、一羽のジョウビタキのオスが松の小枝に止まっていました。しばらく見ていましたが、なかなか逃げません。どうして逃げないんだろうと不思議に思い、もうしばらく見ていようと腰をすえました。すると・・・・・・・

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